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南河内万歳一座「秘密探偵」記者会見


「秘密探偵」は1992年が初演です。当時は頑張って芝居をやって、10年続いたら記念として1年間休もうってやっていました。これは10周年記念で1年間休団して、活動再開となった最初の作品です。1年休んで戻って来た奴とやろう。途中で抜けても文句は言わないと言って、結果全員戻って来ましたね。
僕はこの1年の間に、かねてよりやりたかった、カツオ漁船にカツオの1本釣りを仕事として乗り込みました。ちゃんと船員手帳も貰い、保険にも入り、仕事として1か月半ほどですがカツオ漁船に乗ったのです。 

僕らは演劇世代としては中途半端な世代です。決してアングラ世代ではない。アングラに対する漠然と憧れを持つ世代です。等身大の世代と名付けられた我々は、思想、社会と闘って来なかった世代なんです。自分自身とは闘うが、自分より大きなものとは闘わない。
安保闘争は終わり、高度経済成長のピーク、バブルの入り口ですね。みんなイカレテいる中で、第1次産業に従事している人達は自分より大きな敵を向こうに回して闘っている。
農業、漁業、林業…。
僕は漁業でした。荒れ狂った海で何日も帰って来ないのはどんな気持ちか。自分より大きなものの中へ入りたい。ずーっと思ってきました。なので、この機会にカツオ漁船に乗りたい!と。「秘密探偵」にはこの時の体験も出てきます。

初演と、6年後に行った再演時の「秘密探偵」を読み返すと、自分探しのハナシなんですね。
実は、少し前に、やはり初期の代表作と言われる「二十世紀の退屈男」を公募メンバーとやったのですが、これは思ったほど古さを感じなかった。一周まわって、通用するかなと思いましたが、「秘密探偵」はイタダケないなぁ。完全に賞味期限切れだと思いましたね。
「秘密探偵」は自分を探す探偵の話ではない。別の探偵の話に構造を変えなければいけない。そうだ、色々な探偵を出して、秘密を遊んでみようと…。自分にとって、他社にとって 秘密とは何か? 秘密は多様性が有って、ズバリ道筋は見えないが、物語の中で秘密を遊べば何か見えるかもしれない! という取り組みになったのです。

今回登場する秘密探偵は、秘密裏に捜査する探偵でもなく、秘密を暴く探偵でもない。
秘密を守るために、裏で暗躍する探偵の事です。
現在、守秘義務があるにもかかわらず、色々な秘密が漏れだして来ていています。
そして、秘密が漏れてみるとあまりにチンケな秘密で、東大出の優秀な方々が何をやっておられるのだろうと…(笑)! この程度の秘密ならちゃんと隠せよ! 出すなよ、みっともない! と思う訳です。
こんなことなら、秘密を暴くより、秘密を守るハナシの方が面白いのではと思ったのです。
同時に、守秘義務から漏れてくるのは、その秘密が暴かれたい秘密なのではないか。
つまり、何処から漏れたのかワカラナイけど、これは秘密が暴かれたがっていたのではないか。いくら秘密を守ろうとしても、秘密の方が暴かれたいと思うとバレてしまうのではないか? そんなこともストーリーにしたいと思っています。

推理劇なので、内容がわかってしまうのはダメですが、簡単にお話しすると…

一人の失業した男が乾物屋の2階のアパートに下宿している。
ハローページでは乾物屋というのは、興信所の後で、香辛料、香料のページに記載されている。ある乾物屋には、興信所と間違えて、探偵の依頼電話がかかってきて、その男もそんな電話を取る機会が結構ある。その中の1本の電話で、「私は今、探偵に捜査されているようだが、お宅じゃないか、私を付け回しているのは。」というのがあった。
その電話をきっかけに、その男は、探偵に付け回されて、秘密を暴かれそうになっている人の、秘密を守る探偵になろうと考える。探偵が或る捜査を請け負い、その操作対象者に、「あなたの秘密を暴く依頼が有って、私は今動いている。秘密を隠す証拠を提出しましょうか。」と言えば、依頼者と捜査対象者から二重に報酬を得ることが出来る。
男は別にそういう商売をしようと思っている訳ではないが、秘密を暴く探偵より、秘密を守る探偵になろう! と思うのです。
なぜなら、その男は会社の秘密に触れたからという理由で会社をクビになった。暴いたのはお前だ! 一方的にヌレ衣を着せられたことで、逆説的に秘密を守る探偵になる事を決意したのです。

浮気調査の依頼を受けて調査すると、9割はクロだそうです。
しかし、とある探偵社がここ最近の浮気調査の結果が悉くシロ!その比率があまりにも不自然で、これは何かオカシイ!と気付き、犯人を捜し始める。
自分たちが捜査しているのをどこかで伺っている奴がいるのではないか。
秘密を暴こうと尾行している探偵の秘密を暴こうと尾行している探偵がいるのではないか。 
秘密を暴かれないように、事前にアドバイスをしている奴がいる、という構図ですね。
そんな中、ある探偵社が、乾物屋の2階に住んでいる奴が怪しいと睨む。
そいつはどんな奴で、何故そんな事をするに至ったか、徐々に暴かれていく、というストーリーですが、構造がわかって観ると面白くも何ともない(笑)。
自転車泥棒をする男。「私の自転車を返して!」とその自転車に飛び乗る女。
この二人の偶然の出会いと、男がやっている秘密探偵の話が交錯する。
二人の話の中で、この男がどういう男か徐々に明らかになっていきます。
この男も秘密を守る仕事をしながら、自分で暴かれたい何かを胸に抱えていたからかもしれないと、ざっと、そんな流れになるのだと思います。
明確なストーリーで語るつもりはありません。
「どうして? あ、なるほど、そういう事か! 」そんな風に思いながら最後まで観てしまう。そんなのが面白いでしょう。
初演と同じセリフは出てきますが、話の流れは全く違うと思います。
初演や再演を観た人は「このセリフ、確かに有ったけど…、こんな話だっけ?」ときっと思われるはず(笑)。

2ページに続く